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自宅で葬儀を行うということ 3

2020年02月16日更新

前回、前々回と自宅で葬儀を行うことについて書かせていただきました。
今回は、たくさんある自宅葬のメリットについて書かせていただきます。

まずは、何と言っても落ち着く!これに尽きます。
これは、ご家族様もですがきっと故人様もだと思っております。

故人様についてとなると、個人個人の死生観や宗教観などにも関わってくると思いますので、決めつけたり断言したりすることはできませんが、"魂"というものが存在するとして、ご逝去された後もしばらくは傍にいらっしゃるのであれば、きっと永い時間を過ごされた想いのこもった場所というのは他のどこよりも落ち着くのではないかと思います。

そして、ご家族様。大切な方を亡くされた深い悲しみの中では、"普段"とか"日常"というものが何よりの環境になるのではないでしょうか?特に喪主様にあたる方は、この悲しみの中で葬儀をはじめ、いろいろなことを考え、決断し、進まなくてはなりません。

そして、ご家族皆様で話し合いをするとしても家ほど落ち着く場所はないのでは?

次に、生前のお姿をされた故人様と過ごせる残されたわずかな時間の中で、最大限お傍にいられるということ!


通常式場でのご葬儀となると、ご家族の控室やお食事の部屋は別にご用意されておりますし、お泊りになるとしてもその部屋は故人様とは別の部屋であることが多いと思います。これがご自宅であれば、家族皆でご飯を食べたり、一緒に寝たりすることもできるのです。

そのご家族のルールに従って、こうしたいと思うように進めていくことができるのです。

以前こんなご家族がいらっしゃいました。
足立区にお住まいの方でした。ご近所の皆様とも付き合いが深い地域の方でした。
打ち合わせが始まりましたが、どうしたら良いのかがわからないといった雰囲気で細かな内容にはなかなかはいれませんでした。

すると、お二人の娘様のうち妹様の方が私にこう言いました。
「ウチの家族らしい、お葬式にしてください。」
そこで、私は見積や説明のカタログをすべてバッグの中にしまいました。そして、お疲れのところ大変申し訳ありませんが、ご家族の事。お父様の事。たくさんの思い出のエピソードをお聞かせくださいとお伝えしました。

お母さまはキョトンとした感じで、私を見ておりましたがお嬢様の
「とにかく、頑固!!」というセリフを皮切りに
お母さまをはじめ、お二人の娘様の旦那さま(義理の息子)たちも一斉に
色々なお話を始めてくださいました。

気付けば、4時間半!!!


まだまだ語りつくせないこともあったかと思いましたが、
「このご自宅でやりましょう!」と申し上げると
「えっ!?でも、ご近所の方で自宅でやった人なんていないし・・・」
「なんか、ケチってると思われないかな?」というご意見が出て参りました。

そして、しばらくの沈黙があった後に、
「どう思いますか?本音を言ってください!」と言われました。


「では、もし失礼な表現があったとしても本音ということでお許しください」とお伝えし私自身の考えを伝えさせていただきました。お父様はご自宅の書斎が大好きで、いつも本を読んでおられたそうです。そして、大好きだった石原裕次郎さんの音楽をかけていらっしゃったそうです。そして、読書の合間に飲む奥様とのコーヒーが大好きだったそうです。

そんな大好きな読書も、二人のお嬢様が遊びに来るとあっさりやめてリビングでいろんなお話を楽しそうにされていたそうです。とにかく娘様が、いくつになっても可愛くて可愛くて仕方ないというのがご近所でも評判だったそうです。

これだけ大好きなものに囲まれているのであれば、ご近所の方にどう思われるか?なんて考える必要はないのでは?むしろ近所の方々に、「〇〇さんらしい良い葬儀だったね」と言われるんじゃないですか?と申し上げました。すると・・・

次回につづく・・・


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